早朝の中央道より御嶽山遠望

牧尾ダムは愛知用水の「水がめ」昭和36年に完成し、有効貯水量は約6,800万立方メートル、不老会の原点 ともいえる構造物である。
しかしこのダムが、マスコミの前に姿を現すときは殆ど渇水期であり満水状態の勇姿を見たいものと、かねてから思っていた。
台風21号と22号にはさまれた10月6日は束の間の青空、「今日しかない」と、老パジェロの手綱をとり「ハイ ヨーッ」とばかり家を飛び出した。


命の水、木曽の清流(上流に向かって)

中央道を中津川で降り国道19号を北上する。
木曽路は交通量も信号も少なく、「森の気」を一杯に吸いながらの快適クルージングである。
ここは南木曽町、電力王福沢桃介が架設した桃介橋がある。
台風21号から間もないというのに水のきれいなこと、さすが木曽川「森の恵み」に感謝。
「寝覚めの床」を過ぎ、木曽福島の手前「元橋」で左折する。王滝川に沿って山あいの道を進む。


牧尾ダムの余水吐

家から約200km、4時間半で、はるかにダムが見える地点に到着。
余水吐から流れ落ちる純白の帯は満水の証、胸を躍らせて接近する。(数日前までは4本全開だった由)
ゲートの建屋には「牧尾ダム」の四文字があざやか。
このダムは、岩を積み上げた構造(ロックフィル方式)のため、土手の勾配が緩やかで親しみ易い印象。
しかしこのダムを含め、用水の礎となった56名の尊いみたまのことを、忘れてはならない。
そしてそれが不老会誕生の縁となった。


堰堤上より湖奥を望む
(中央より左手に奥は深い)

南岸に通じる道路を登ってゆくと「見えた!」
満々とエメラルドグリーンの水をたたえた「御嶽湖」の全景が!
濵島先生にも見せてあげたいな。
先人の労苦を偲びつつ堰堤上から心ゆくまで満水の御嶽湖を鑑賞。
なおダム北岸の慰霊碑の前では、毎年7月に慰霊祭が行われているとのことである。
秋色の湖岸を西進すれば、湖奥の王滝村落にたどり着く。


御嶽さんの直下(車はここまで)

折角の機会だ、御嶽さんに拝顔して行こうと、スロープをジグザグに縫って登る。
進むほどに開ける眺望。はるかに中央アルプスや東濃の山々。絶景にただ感激。

 われら愛す  胸せまる
   熱き思いに  この国を


という愛国歌の一節を思い出し大声で歌いつつ走る。目頭が熱くなる。
終点は、海抜2,180m田の原公園「御嶽さん」は目の前。3~4時間で登れる由。
シーズンオフでガラ空きの休憩所で、信州そばを賞味


漂着した大量の流木

登りとはまた違った眺めを楽しみつつゲレンデを横切りながら下る。
王滝村落からは、北岸周りで再び牧尾ダムへ。
水面上のフェンスには多量の流木が漂着しており、大雨の凄まじさを物語っていた。
帰途、道の駅で山栗などを買い、無事に御機嫌で帰宅した。
総行程460km、12時間半、天候快晴、道路はスキスキという何とも贅沢なドライブであった。

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