不老会の献体先、愛知県内5大学の
医学・歯学部長より
医学を学ぶ者にとって、系統解剖学は、欠かすことのできない極めて大切なものであり、その修練を通して数知れない貴重な知見を得ることができます。一方、解剖学学習は、自らのご意志により、ご遺体を医学教育・研究のために捧げるという、不老会の皆さまの崇高な精神によって支えられております。
私どもは、この皆さまの御意志に報いるため、優秀な学生の教育と、医学・医療の進歩発展のために努力を重ねて参ります。
医学生にとって系統解剖は、人体の緻密な構造を理解するための基本的かつ非常に重要な実習となっています。人体構造の理解は、疾病の成り立ちや診断、手術手技などの治療法の開発のための基盤となるものです。不老会の皆さま方には医学の教育やさらなる医療の進歩をご理解いただき、自らの御意志によりご遺体を本学に賜りましたことに対し、厚く御礼申し上げます。皆さまの崇高なご意志に報いるためにも医学の研鑽に励んで参りますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
歯学生が行なう系統解剖の目的は「ヒトの体が、どのようにできているか」を知るためで、さまざまな構造を一つひとつ丁寧に見て勉強します。人間は、心と体を持ち、その心は体が有って初めて成り立ちますので、体を知ることは、人を知る基礎になります。しかし、人の体は、なんのためにあるのかは、難しい問いです。昭和30年代、自分の体を医学のために役立てようと考えた人たちの会ができ、大学で系統解剖の教育ができるのはこうした人たちのおかげです。報恩感謝。
医学の専門教育は解剖学から始まります。学生は、まず講義によって、各臓器の位置や形、そこに出入りする血管や神経などを学びます。次にご献体をもとにした実習により、それらの構造を立体的に理解できるようになります。これは医師になる上で極めて重要な学びになります。この学びがあるからこそ、正確な診察や治療が可能となるわけです。このようにご献体の意義は非常に大きく、今日の医学はその尊い志のもとに成り立っています。
不老会並びに不老会員の皆さまの篤き志に、深甚なる敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。 学生は、皆さまのご献体を通じて、医学の基礎である人体の構造と機能を学びながら、生命の尊厳を認識し、医療人としての使命感を培っております。
私どもは、皆さまの尊いご意思に添うべく、医学の進歩発展に使命感を持って取り組み、また、よりよき臨床医が社会に巣立っていくよう鋭意努力を重ねて参る所存でございます。
愛知県内5つの大学の医学部・歯学
部で、
医師・歯科医師を目指す学生たちの
インタビュー
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