医学への貢献 | 未来の医師・歯科医師たち
藤田医科大学 医学部 A.Hさん
さまざまな助言を
くださった先生
私が医師を目指したいと思ったのは、中学生の頃です。部活動で怪我をしたときに、整形外科によくお世話になりました。整形外科の先生は、当時中学生だった自分にとても親身に寄り添い、さまざまな助言をしてくださいました。また、他の患者さまへの対応も丁寧で、仕事をする姿がとても魅力的に写り、いつしか医師を目指すようになりました。
医学部の学習は、暗記する情報量も多く、膨大な知識を詰め込む面もあります。しかしあるとき、バラバラだった知識の断片が、一つの臨床像を起点につながり出します。講義や参考書で学ぶ学問的な知識が、極めて直接的に医療現場で活き、心身の問題で苦しむ人々の人生を左右します。知識を一つ身につけるごとに、将来医師として救うことのできる人が増えていく実感が、医学を学ぶ強い動機となっています。
人を救うのはもちろん、
探究を忘れない医師に
私は最近になってようやく、医学という学問の独自性が見えてきたと感じます。
第一に、現代医学は他の学問に比べ歴史が浅く、それゆえに日進月歩であるということです。機序の不明な薬物、原因を特定できない疾患など、未だ解明されていないものが数多とあります。医学部で学ぶ内容は、現時点で最良とされるものでも、今後変わっていく可能性も十分に考えられる流動的なものとも言えます。
そして第二に、この流動的な知識をもとに、実際に現場で医療を行わなければなりません。この掴みどころのない学問から、一つの治療方針を導き出すというのが医師の役割です。この判断を下すためには、多くの知識と経験、医学への興味と関心が不可欠であると思います。
将来は、臨床現場で医学をもとに人を救うのはもちろん、医学そのものの探究を忘れない医師になりたいです。
託された意志に応える
解剖実習で、私は大きく二つのことを学びました。
一つ目は、解剖学への理解がより深まったことです。講義やテキストでは平面的にしか理解できなかった人体の構造が、三次元の実物として彩りを持って実感することができました。神経の太さや臓器の重さ、脂肪組織の厚さなどは、自らメスを手に取り、解剖する過程でしか得られない多くの学びがありました。また、現代の解剖学が、先人の地道な観察と理解によって築き上げられたことにも改めて気づきました。
二つ目は、医師という職業の崇高さとその重責を理解したことです。解剖実習で対面するご献体は、医学部生にとって言わば初めての患者さまです。学習過程で「命」を扱うことの意味を、身をもって体験しました。
医学部生にとって人体解剖学実習は、ご献体された方から託された意志に応えることで、将来への期待とその重責との両方に気づく大切な機会だと思いました。
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